ポール・ロワイヤル文法

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ポール・ロワイヤル修道院

ポール・ロワイヤルとはフランスにある修道院の名前である。この修道院から言語に関する著作がいくつか出ている。最も重要なのは、アントワーヌ・アルノーとクロード・ランスローというふたりの隠士によって1660年に出された『一般・理性文法』である。ポール・ロワイヤル修道院は17世紀の教授法改革の拠点であった。「それ以前の教育は、例えばラテン語の単語を一つも知らない初心者に対し、ひたすらラテン語だけで教育するのが普通であった。」当時既にラテン語は普遍言語としての価値を失っており、学生はフランス語を話していた。ラテン語の文法書を学生が既に知っているフランス語で書き、学習をより容易にさせたことが革新的であった。

『文法』のねらい

「文法を構成している規則や範疇、そして様々な区別の本質を明らかにするところにある。例えば、動詞の本質は何か、文の本質は何か、を明らかにするのである。このような本質的特性は、思考の本性に根差している言葉には当然反映されているはずであるし、それゆえ、一般文法ならば、注意を向けなければならないことだからである。」言語構造を思考構造と同形のものとみなすことにより、思考構造を把握すればあらゆる言語の個別文法も理解できるという寸法である。我々が知っているとおり、個々の言語の間には数えきれないほどの違いがあるし、ひとつの言語だけを対象にしても不規則性が山ほどあり、ポール・ロワイヤル文法のような合理主義的文法には問題となる。しかし『文法』が優れているのは、『文法の理性的原理は言語の本質的基盤だけを成すのであり、その基盤の上に各個別言語が慣習に基づいて築き上げている(中略)構造の一つ一つにまでは及んでいないし、及ぼすようにすることもできないということを暗黙に認めたことである」。『文法』の目標は、「話す技術の基盤をなす理性的(したがって普遍的)原理を突き止めることであって、理性的原理に基礎を置いていなかったり、そこから逸脱しているような個々の言語の範疇や構造に対して説明することや正当性を与えることではない。」

著作権とか

これだけ引用していて、著作権的にどうなんだろうか。調べておく。